僕は「ブラック企業」という言葉があまり好きではありません。
「ブラック企業」と言ってしまうと、その企業で働いている人全員が病んでいるみたいに聞こえてしまうからです。しかし、実際はそんなことは無いと思うんですよ。
例えば、飲食業界や塾業界にはブラック企業が多いと言われていますが、それらの業界で働いている人の中には、仕事を楽しんでいる人も少なからずいます。
では、「ブラック企業」とは一体何なのでしょうか?何をもって、その企業が「ブラック企業」と言えるのでしょうか?
というわけで今回の記事では、「ブラック企業の定義」について深掘りしていきます。
ブラックな部署や上司を引いてしまった人にとって、その企業は「ブラック企業」になる
結論から言ってしまうと、あなたがブラックな部署に配属されたり、ブラックな上司の下で働いていたりすれば、あなたにとってその企業は「ブラック企業」になります。
つまり、ブラック企業の定義は個個人の労働環境によって大きく変わるのです。
例えば、あなたが東証一部上場の有名な企業に新卒で入社したと考えてください。その企業が「ブラック企業」だなんて、まったく聞いたことがありません。あなたは研修期間を経て、A事業部に営業職として配属されました。A事業部は激務で有名な部署で、あなたは毎月80時間残業することになりました。そして、直属の上司はパワハラ三昧で、あなたは心を病んでたった1年で退職することになりました。あなたにとって、その企業は間違いなく「ブラック企業」になりますよね。
では、その企業は、従業員全員が見ても「ブラック企業」なのでしょうか。
僕はそうではないと思います。先ほどの事例で言うと、あなたの同期には、毎日定時で上がれるような部署に配属され、とても温厚な上司に恵まれている人がいるはずです。この同期からすれば、その企業は「ホワイト企業」になりますよね。
この世の中には、絶対的な「ブラック企業」も「ホワイト企業」も存在しません。結局は、個々人の上司や部署などの労働環境によって、定義付けが大きく変わるだけの話なのです。
会社員の一番辛いところは、部署や上司を選べないことだ
会社員の一番辛いところは「部署や上司を選べないこと」です。部署は希望を聞いてくれるケースもありますが、上司に関しては絶対に自分で選べません。
もしも会社員全員が自分の希望の部署に配属されて、尊敬できる相性のいい上司を選んで働くことができれば、間違いなく「ブラック企業」の数はゼロになるのですが、そんなことありえませんよね。
実際は、まったく希望していなかった部署に配属されて、パワハラ上司を割り当てられるような会社員が一定数いるわけです。僕の会社にもそういった人はたくさんいます。彼らからすれば、その企業は「ブラック企業」になります。逆に、彼らがいるおかげで、その企業の一部の人間はホワイトな上司や部署に恵まれて、その企業が「ホワイト企業」になるわけです。
僕は現在社会人3年目ですが、会社生活は本当に運の要素が大きいと思います。もちろん、その人のスキルも大事なのですが、そのスキル開発でさえ、部署や上司という「自分ではコントロールできない要素」に大きく影響されます。
同じ会社なのに、ホワイトな労働環境で生き生きと仕事を楽しめている人がいる一方で、ブラックな労働環境で今すぐにでも仕事を辞めたいと考えている人がいるのは不公平だと思います。
違う部署への「異動願い」を出せば、ブラック企業がホワイト企業に変わる可能性がある
もしあなたがブラックな部署や上司に悩んでいるのであれば、違う部署への「異動願い」を出せば、その企業がホワイト企業になる可能性があります。
僕の友達の例を挙げましょう。彼女は、新卒で自動車部品メーカーに入社して、地方の支社で営業をしていました。繁忙期には毎日夜10時まで残業しており、上司から詰められることも少なくありませんでした。社会人4年目の夏に家庭の事情もあって、実家に近い本社に異動することになり、営業部から総務部所属に変わりました。すると、毎日定時で上がれるようになり、上司や同僚も穏やかな人が多くなりました。今では、仕事もプライベートも楽しんでいます。
このように、同じ会社でも違う部署に異動するだけで、労働環境が一気にホワイト化する可能性があります。ブラックな部署や上司で消耗しているならば、異動願いを出してみましょう。
ただし、そのような劣悪な労働環境では、異動願いを出しても相手にしてもらえないかもしれないので、その時は思い切って転職すればよいと思います。この世の中には、今の企業よりもホワイトな部署や上司が多い「比較的ホワイト企業」がたくさんあるはずですから。
ブラックな部署や上司が原因で体調を崩すのは本当にもったいないので、絶対に逃げ出しましょう!